2015年6月20日土曜日

音楽を聴くときのデータ形式の基礎知識 MP3、AAC、ビットレートとは

パソコン、スマホ、携帯プレーヤーなどで音楽を聴く時に、よく聞く言葉に”MP3”、”AAC”がありますが、これは、コンピュータにおける音楽のデータ形式です。コンピュータで聞くためには、音楽を特別なデータ形式にしないと聞けません。

なお、音楽データ形式にはさまざまありますが、MP3、AACは、代表的な音楽データの形式です。今回は、この音楽形式について紹介します。

実は、CDなどの音楽データは、そのままパソコンなどに使おうとすると、データサイズが大きくなるので、なるべく音楽データのサイズを小さくして(圧縮して)利用しています。

  この音楽データのサイズを小さくしたのが
  「MP3形式」、「AAC形式」「WMA形式」というデータ形式
  
です。

特に、「MP3形式」、「AAC形式」は代表的な音楽データ形式で、これさえ覚えておけば大丈夫です。

音楽関係で「MP3」「AAC」という言葉が出てきたら、難しく考えずに「これは音楽のデータなんだな」という感じでOKです。

  Amazonで提供されている音楽データは”MP3形式”
  iTunesストアで提供されている音楽データは”AAC 形式”
  
です。


音楽データ形式には様々ありますが、パソコン、スマホ(Android、iOS)の双方で音楽データを使う場合も、定番のMP3やAAC形式が便利です。

では、何故、わざわざ、このようなデータ形式にするかというと、音楽データのサイズを小さくするためです。そのため、聴く際に影響のない範囲で、音の一部を取り除いて、データを圧縮しています。

布団や衣類を圧縮して圧縮袋につめ込むような感じで、音楽データをギューと圧縮した形式です。このときの、圧縮する方法の違いで、MP3、AAC、WMAというデータ形式があります。

また、「MP3 128kbps」、「AAC 256kbps」というのを聞くことがあります。「128kbps」「256kbps」はビットレートで、 "音楽をどれぐらいの音質で変換するか" の指標です。数字が大きいほど高音質になり、その分、データサイズも大きくなります。


なお、このようにデータサイズを小さくして、CD音楽をパソコンに取り込むと、たくさんの音楽を取り込むことができます。

  携帯プレーヤーの記憶容量が8GBだと約1600曲(アルバム 約100枚分)も記録

できます。通常のCD音楽のデータを、そのまま取り込むと、データサイズが大きくなるため、この1/10(アルバム 約10枚分)しか記録できません。




■ 何故、音楽データに特別な形式が必要なの?


パソコン、スマホ、携帯プレーヤー、携帯電話でCDの音楽を利用する場合、MP3、AAC、WMAのような特別なデータに変換してから利用します。

これらの形式は、CD音楽データを圧縮しサイズを小さくしたもので、通常、音楽CDのデータサイズの約1/10で記憶できます。

人間の感じ取りにくい部分のデータを間引くことによって、音楽データを圧縮し、データサイズを小さくしています。そのことで、より多くの音楽がパソコンや携帯プレーヤーに記憶できます。


ポップスCDのアルバム(16曲 約65分)を実際にパソコンに取り込んでみたら、データサイズは以下になりました。

 音楽CD上のデータサイズ      710MB

 パソコンに取り込んだデータサイズ  65MB

   *MP3(128kbps)、AAC(128kbps)、WMA(128kbps)で取り込んだ場合

上記に示すように、CDに記憶されている音楽データの約1/10の大きさ程度で記憶できます。



■ 代表的な音楽データ圧縮方式


携帯プレーヤー、携帯電話等で音楽を聴くためには、これらの機器が、以下のどのデータ形式をサポートしているか事前に確認しておく必要があります。

◆MP3(MPEG1 Audio layer3)

音楽データを圧縮する技術が色々と開発されていますが、このMP3は、以前から広く普及しています。MP3 は MPEG-1 という映像圧縮技術の音声部分を利用しています。

◆AAC (Advanced Audio Coding)

MP3の後継といえるもので、全ての圧縮率において高音質を実現するべく作られています。MP3はMPEG-1という映像圧縮技術の音声部分を利用していますが、AACは、より新しい MPEG-2 の音声圧縮技術を利用しています。

◆WMA(Windows Media Audio)

Microsoft社が開発した、Microsoft社製品の標準の音声圧縮方式です。



■ 音楽データはMP3やAAC形式が便利


パソコン、スマホ(Android、iOS)で音楽データを使う場合は、定番のMP3やAAC形式が便利です。

  iTunesストアで購入した音楽データの形式 AAC 形式
 
  Amazonで購入した音楽データの形式は MP3形式

  レコチョクで購入した音楽データの形式 AAC 形式



■Windowsパソコンの場合

パソコンで扱える音楽ファイルの形式はたくさんあります。代表的なものとして MP3、AAC、WMA、WAV があります。


■Android端末の場合

 そのまま再生可能:
  MP3形式、WMA形式(Windows 版ミュージック マネージャを使用)

 再生可能(MP3ファイルに変換して再生):
  AAC形式、FLAC形式、OGG形式、ALAC形式

詳しくは、下記を参照下さい。

  ミュージックでサポートされているファイル形式 - Google Play ヘルプ
  https://support.google.com/googleplay/answer/1100462?hl=ja


■iPhoneなどiOS端末の場合

 そのまま再生可能:
  AAC形式、MP3形式、HE-AAC形式、MP3 VBR形式、
  Audible(オーディオブック)、Apple Lossless形式、WAV形式

詳しくは、下記を参照下さい。

  [iPhone/iPad]再生できる音楽ファイル形式 | ソフトバンクモバイル
  http://faq.mb.softbank.jp/detail.aspx?cid=75874&a=101&id=75874



■ 音楽CDを取り込む時のビットレートとは


「MP3 128kbps」というのを聞くことがあります。MP3は圧縮形式ですが、次に続く「128kbps」がビットレートといわれます。

これは "音楽を1秒間あたりどれぐらいのデータに変換するか" の指標です。

 数値が高ければ音質は良いですが、変換後のデータサイズが大きくなります

 数値が低ければ音質は悪いですが、変換後のデータサイズは小さくなります


なお、以前は、パソコンのハードディスク容量の制限もあり、「MP3でCD並みの音質を確保するには、ビットレート128kbpsが良い」と言われていました。

しかし、今は、ハードディスク容量も1TBを越える時代になり、パソコン環境や音楽を考え、それ以上のビットレート160kbps、192kbpsでも良いかもしれません。

私は、CD音楽を録音する場合は、「MP3 192kbps」で録音しています。

なお、このビットレートも絶対的な判断基準ではなく、自分で聞き比べて最適なものを見つけたらよいと思います。



■ 音楽CDのデータを取り込むソフト 「CDリッピングソフト」


リッピングソフトウェア【ripping software】とは、音楽CDからデータを読み込み、パソコンなどで使用できる形式に変換するソフトです。音楽CDのデータを、MP3、AAC、WMAなどの形式に変換(エンコード)して取り込みます。

ソフトにより、変換可能な形式が異なりますが、オプションで音楽形式と音質が設定できます。なお、代表的なソフトを以下に紹介します。


■Windows Media Player

Windowsに標準で付いているソフトで、初心者の方にはこのソフトを使うのが一番簡単だと思います。

Windows Media Playerを使用して、CDから音楽データを取り込むことができます。音楽CDから取り込んだ曲は、音楽ファイル(標準ではWMAファイル)としてパソコンに保存されます。

Windows 8 / 8.1では、多くの音楽ファイルが「ミュージック」アプリを使って再生するよう設定されています。
常にWindows Media Playerを使って再生したい場合は、下記を参考に変更下さい。

 Windows 8 / 8.1でパソコンに保存した音楽を常にWindows Media Playerで再生する方法
 http://121ware.com/qasearch/1007/app/servlet/relatedqa?QID=015860

 Windows 8 / 8.1で音楽CDの曲をパソコンに取り込む方法
 http://121ware.com/qasearch/1007/app/servlet/relatedqa?QID=014290


《補足》取り込みの音楽形式と音質の設定

①左上の“整理”メニューから“オプション”を選択

②“オプション”の“音楽の取り込み”タブを選択

③取り込みの設定で“形式”と“音質”を選択
*汎用性の高い“MP3”、音質は“192kbps”がお勧め




 
■iTunes

iTunesは、iPodに曲を転送するソフトです(iTunes Music Storeで曲やビデオの購入も可能)。なお、iTunesは、主要な音楽データ形式のMP3、AAC、WMAに対応し、CDから曲を取り込んだり、整理したりするのにも、とても便利なソフトです。

私は、このソフトを使い、自分のCDで気に入ったものをパソコンに取り込んでいます。CDの取り込み操作が簡単で、取り込んだ後、アルバム別、アーティスト別に検索できるので、便利ですね。

iTunesはアップルのホームページから、無料でダウンロードでき使うことができます。なお、iTunesというと、iPodを使う場合のソフトという認識でしたが、CD音楽をパソコンで取り込んで楽しめる、優れたソフトです。

 iTunes - iTunesを今すぐダウンロード - Apple(日本)
 http://www.apple.com/jp/itunes/download/


《補足》取り込みの音楽形式と音質の設定
インポート方法の選択と設定(音質の設定)をします。インポート方法は、初期設定では”AACエンコーダ”になっています。初期設定のままか、汎用性の高い「MP3エンコーダ」にしておくとよいですね。

①左上の”メニューから“設定”を選択

②“一般“タブの”インポート設定”を選択

③“インポート方法”、“音質”を設定し、OKをクリック
*汎用性の高い“MP3”、音質は“192kbps”がお勧め

④“一般環境設定”に戻り、“OK”を選択