USBメモリーやSDメモリーカード、いつまでもデータ保存が可能なわけではないので、注意が必要です。実は、中には、書き換え可能回数/データの保持期間は、500回程度/数年程度のものもあるそうです。
データの受け渡しに便利なUSBメモリー、デジタルカメラで使うSDカード、ハードディスクの代わりにパソコンに搭載されているSSD、これらには、電源を切ってもデータが消えない 半導体の”フラッシュメモリー” が使われています。
このフラッシュメモリーには、電源を切ってもデータが消えないという特徴に加え、データの読み書きが高速、大容量、機械的な駆動部品がないので落下などによる衝撃にも強い特徴があります。
しかし、使う上で必ず知っておくべきは、「フラッシュメモリーを使った製品には寿命がある」ということです。
下記の”長期間の放置でデータが消える”という日経パソコンの記事は、書き換え可能回数/データの保持期間について詳しく説明しており、参考になります。
【フラッシュメモリー】長期間の放置でデータが消える:寿命は5~10年 (日経パソコン)
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/knowhow/20141205/1149803/
この記事によると、フラッシュメモリーには、「SLC」、「MLC」、「TLC」3つの方式があり、パソコン向けのSSDや高品質タイプのSDメモリーカードでは「MLC」、低価格のUSBメモリーやSDメモリーカードでは「TLC」が使われています。
この中で、「TLC」方式のUSBメモリー、SDカードは、書き換え可能回数/データの保持期間が意外と低く、数年放置しておくとデータが消えるそうです。今後、USBメモリー、SDカードを使うときは、注意しないといけません。
・パソコン向けのSSDや高品質タイプのSDメモリーカード・・・3000~1万回程度/5年程度
・低価格のUSBメモリーやSDメモリーカード・・・500回程度/少なめに見積もっても数年程度
私はパソコン講師の仕事をしているとき、授業で使う資料を家で作成し、それをUSBメモリに保存。このUSBメモリを授業に持っていき活用しています(大事なデータは紛失のことを考えてZip形式で暗号化)。
このUSBメモリ、もし、授業中に壊れたら、授業が中断するので、最近は、2つのUSBメモリに、同じデータを保存し、万が一、壊れた場合の対策をするようにしました。
使っていると、いつまでも使えるという感覚を持ってしまいますが、なんでも寿命があるので、予備のものを持つなど、対策が必要ですね。
(注)SSD(ソリッドステートドライブ)
従来は、パソコンには、データを保存するために HDD(ハードディスクドライブ)が使われてきましたが、SSD(ソリッドステートドライブ)の大容量化、低価格化が進み、SSD も使われるようになってきました。
このSSDも、フラッシュメモリーを応用した記録装置で、簡単に言えば、USBメモリを大容量化、高速化し、HDDと同じ扱いができるようにしたものです。
SSDはHDDと同じ接続インタフェース(ATA規格)で利用できるようになっています。 OS側からはHDDとして認識されるのでブートドライブ(PCの起動ドライブ)としても使用可能です。
下記で、HDDとSSDのメリット・デメリットについて、分かりやすく説明しています。
パソコンにSSDを導入するなら知っておこう!SSDの基本知識
http://www.pasonisan.com/customnavi/z1101ssd/01solidsd.html
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■ USBメモリー、SDカードに使われるフラッシュメモリーとは
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データを記憶する半導体メモリーは10種類以上ありますが、以下に分けられ、フラッシュメモリーは”不揮発性メモリー”の代表選手です。
・揮発性メモリー ・・・電源を切るとデータが消えてしまう
DRAM(パソコンなどでデータ記憶に使われるメモリ 他に使用)
・不揮発性メモリー・・・電源を切ってもデータが消えない
フラッシュメモリー(USBメモリー、SDカード 他に使用)
以下の記事に、フラッシュメモリーについて詳しく紹介しており、参考になりました。この内容から、フラッシュメモリーについて、簡単に説明します。
【フラッシュメモリー】長期間の放置でデータが消える:寿命は5~10年 (日経パソコン)
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/knowhow/20141205/1149803/
フラッシュメモリーの中には、セルと呼ばれるデータを記録する素子が多数入っています。この一つのセルに、どれぐらいの情報を記録するかで、3つの方式があります。
1ビット分の値を記録する方式「SLC」、2ビット分の値を記録する「MLC」、3ビット分の値を記録する「TLC」という方式があります。
「SLC」はごく一部の業務向けの製品のみで使われ、パソコン向けのSSDや高品質タイプのSDメモリーカードでは「MLC」、低価格のUSBメモリーやSDメモリーカードでは「TLC」が使われるそうです。
なお、方式により耐久力にも違いがあり、書き換え可能回数/データの保持期間は
・SLCの場合で10万回程度/10年程度
・MLCでは3000~1万回程度/5年程度
・TLCでは500回程度/少なめに見積もっても数年程度
となるそうです。
低価格のUSBメモリーやSDメモリーカードは「TLC」なので、書き換え可能回数/データの保持期間は、500回程度/少なめに見積もっても数年程度 になります。
また、データ保持期間は使い込んでいるフラッシュメモリーであるほど短くなり、「ある実験によるとTLCで500回の書き換え限度まで使った状態で検証をしたところ、データの保持期間が1年になった」(バッファロー)ということです。
TLCが使われている比率が高い低価格のUSBメモリーやSDメモリーカードを使い込んでいる場合、これを長期保存するのは危険ですね。
《参考》光ディスクの寿命
【光ディスク】寿命は長いが扱い方と保存方法に注意:寿命は10~30年《100年持たせるデータ保存術》
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/knowhow/20141205/1149804/
機械的または電気的な要因でデータが消えることがない光ディスクは、ハードディスクやフラッシュメモリーと比べて「寿命」が長いそうです。「業界団体の試験で少なくとも10年以上、多くの製品で30年以上は持つことが確認されている」(イメーション)ということです。また、最近の製品であれば、加速試験によって「理論的には70年~80年は持つ」という結果だそうです。詳しくは、上記サイトを確認下さい。